パチスロマンガアーカイブス・バグ96年8月号

 今回からバグ本編をアップします。この原作を書いたのは1996年6月です。それ以前の原作はワープロやDOS-V機の古いノートパソコンで書いていたのでデータは残っていません。今回扱ったのはサミーの集中機アイアンフックです。全然記憶にない台ですけど、たぶん何度かは打ったのだと思います。

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バグ/8月号
「ダメな野郎」

(あらすじ)
 武田順一は看板屋であった。しかし、最近
は仕事も少なく、パチ屋に入り浸る事が多く
なっている。ギャンブル好きの性格のために
いつもピーピーいっているのだ。
 そんなある日、順一は彼女を連れてきた。
彼にも遅い春がやってきたように見えたが…
*順一は小柄で30代半ば。ペンキの付いたつなぎを来ている。

SCENE1/ホールの中、夢二がアイアン
フックを打っている。ちょうど1台おいた隣
が空いたところ。夢二は移動しようかどうか
考える。
夢二「おっ、あの台が空いたか。こっちは伸びそうもないし、移動するか」
夢二が立ち上がって、タバコを入れようとす
ると、順一が一瞬早くその台に座る。
順一「悪いね夢ちゃん。これはずーっと狙ってたんだ」
夢二「別にかまわないさ。早い者勝ちだからな」
順一の台はビッグ。
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃IRON ┃チェリー ┃旗    ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃赤7   ┃7    ┃7    ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃フック  ┃旗    ┃リプレイ ┃
┗━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛
順一「やった! さえてるぜ」
夢二はしかたないといった格好をして、自分
の台に戻る。
夢二「さてと、今日はこいつと心中か?」
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃IRON ┃チェリー ┃リプレイ ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃赤7   ┃7    ┃フック  ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃フック  ┃旗    ┃チェリー ┃
┗━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃IRON ┃チェリー ┃リプレイ ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃赤7   ┃フック  ┃フック  ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃フック  ┃旗    ┃チェリー ┃
┗━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛
夢二「ン? 本物か?」
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃IRON ┃チェリー ┃旗    ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃青7   ┃7    ┃7    ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃IRON ┃旗    ┃リプレイ ┃
┗━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛
夢二「よーし、なんとか首の皮1枚でつながった」
順一の台は集中に入る。
(集中にはいると、パネルのビッグチャンスの上の部分に宝箱が浮き出し、音楽が成り続ける)
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━┓
┃旗    ┃フック  ┃フック ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━┫
┃リプレイ ┃旗    ┃チェリー┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━┫
┃赤7   ┃リプレイ ┃旗   ┃
┗━━━━━┻━━━━━┻━━━━┛
順一「集中を引いたぞ!」
夢二「相変わらず鋭い読みをしてやがるな」
夢二の台はレギュラー
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━┓
┃赤7   ┃チェリー ┃チェリー┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━┫
┃フック  ┃7    ┃旗   ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━┫
┃チェリー ┃旗    ┃IRON┃
┗━━━━━┻━━━━━┻━━━━┛
夢二「オバケか…。何もないよりはマシか」
夢二は順一の台を見る。順一はすでにドル箱
に1箱までのばしている。
夢二「あっと言う間にドル箱とは、譲るんじゃなかったぜ」
順一の持っているポケベルが鳴る。
順一「やべ! 仕事にいかなきゃ」
順一はあわてて受け皿のコインをドル箱に移
す。
順一「夢ちゃん! 俺やめるから後打つかい」
夢二「どうしたんだ? 何か用事か」
順一「シャッター書きの仕事頼まれてんだよ。現場遠いから、すぐに出ないと間に合わないんだ」
夢二「じゃあタバコ入れといてくれ」
夢二は順一にタバコを投げ渡す。
順一「最後の1ゲーム」
すると、それで集中に入ってしまう。
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃リプレイ ┃フック  ┃チェリー ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃旗    ┃旗    ┃旗    ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃IRON ┃リプレイ ┃フック  ┃
┗━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛
順一「げっ! 集中にはいりやがった」
夢二「仕事だろ。あとは俺にまかせておけって」
夢二は笑っている。
順一は悩む。
順一「エーイ! 少しぐらい遅れたって構うものか」
順一は再び打ち始める。
夢二「いいのか? 仕事しくじってもしらねえぞ」
順一「スロットで稼ぐ金も、仕事で稼ぐ金も金は金だ。今日は閉店まで勝負だ!」
ナレーション「昼間からスロットを打っている人間は多いが、誰もがそれで食っているわけではない。仕事の合間に打つ人間も多い。だが彼の場合はスロットの合間に仕事をする風情であった」

SCENE2/翌日のホールの前、夢二が並
んでいる。そこへ順一が現れる。
順一「よお夢ちゃん。どうだ飲むか」
順一は夢二に缶コーヒーを渡す。
夢二「サンキュー」
順一「昨日は久しぶりに5000枚を突破したぜ」
夢二「5000枚突破はいいけど、仕事にいったのかよ」
順一「大丈夫だよ。俺は腕がいいんだ。必要だったら連絡してくるよ」
夢二「気楽な野郎だな」
そこへ看板屋のワゴン車が横付けする。
中から親方が顔を出す。
親方「コラ! 順一。昨日はどうしたんだ」
順一「あっ、山辺さん。」
親方「ポケベルで呼んでも連絡もこないし、心配してたんだぜ」
順一「すみません。今晩必ず仕上げますから」
親方「もういいよ。昨日俺が書いたよ。来週は横浜のデパートのシャッターの書き替えの仕事があるから、時間空けておいてくれよな」
順一「わかりました。いつも仕事回してもらってすみません」
順一は頭を下げる。
親方「まったく、憎めない野郎だぜ」
親方は車で走り去っていく。
順一「さてと、今日はめいっぱい打てるぞ」
夢二「本当、懲りない野郎だな」

SCENE3/数日後、夢二がホールに向か
うために道を歩いている。
夢二は空を見上げて、
夢二「暑いなー。いよいよ梅雨明けか」
ふと向こうの方で、順一がシャッターに絵を
描いている。花屋のようだ。
夢二「よォ、今日はまじめに仕事か」
順一「あ、夢ちゃん。今日はじゃないですよ。いつもまじめに仕事してますよ」
夢二はシャッターの絵を見て、
夢二「へー、うまいもんだな」
順一「これで食ってますからね」
そこへ、花屋の娘がジュースを持って出てく
る。
花屋「ごくろうさまです。冷たいジュースでもいかがですか」
順一「あ、すいません。いただきます」
順一はジュースを受け取って飲む。
花屋「すてきなシャッターになりそうですね」
順一「お昼までには描き上がりますよ」
花屋「描くところを見ていていいですか?」
順一「え、ええ。もちろん」
夢二「俺も見ていていいかな」
夢二が笑っている。
花屋「あら、お客様ですか? 今日はお休みなんです」
順一「あいつはただの知り合いですよ。たまたま通りがかっただけで」
夢二「じゃあ、またな」
順一「ああ」
花屋は順一が絵を描いているところをずーっ
と見ている。
順一は赤くなって仕事をしている。

SCENE4/さらに数日後。夢二がホール
でアイアンフックを打っている。
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃IRON ┃チェリー ┃旗    ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃青7   ┃7    ┃7    ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃IRON ┃旗    ┃リプレイ ┃
┗━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛
夢二「ロング集中がビッグで終了。今日は5000枚越えそうだな」
そこへ順一が現れる。順一はおしゃれなスー
ツ姿である。
夢二「どうしたんだ? 結婚式にでも出たのか」
順一「いずれはね。これからデートなんだ」
夢二「デート? おまえが?」
順一「なんだよ。びっくりするぐらい不思議なことか?」
夢二「相手は誰だ? どこの女をだまくらかした」
順一「いちいち気に障ることを言うんだな。この前仕事をした花屋の娘だ」
夢二「あの子か。まじめそうな娘だったけど、何か弱みでも握ったか」
順一「そうじゃねえよ! 向こうが俺に惚れたんだ。やっぱ、見る人が見れば俺の魅力は分かってくれるんだ」
夢二「何が魅力だ。パチ狂いの男なんかと結婚する女はいねェぜ」
順一「だから、俺はまじめになったんだ。貯金もして、まじめな人生を送るんだ。スロットも程々にしてさ」
夢二「そういいながらデートまでの時間にパチ屋に入ろうって頭だからな。」
順一「単なる時間つぶしだよ」
順一は打ち始める。
┏━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃IRON ┃チェリー ┃7    ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃フック  ┃7    ┃リプレイ ┃
┣━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃赤7   ┃旗    ┃フック  ┃
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順一「よし! 1000円でビッグを引いた」
夢二「なんだか乗ってるじゃない」
夢二は呆れて言う。
順一は時計を見て、
順一「そろそろ約束の時間だ。じゃあ、デートにいってくるよ」
夢二「なんか納得いかんな」

SCENE5/数日後のホール。開店前に夢二が並んでいる。そこへ順一がやってくる。
夢二「あれ? スロットは程々にするんじゃなかったの?」
順一「あの話は無しだ」
順一はぶ然として答える。
夢二「どうしたの」
順一「振られちまったんだよ。花屋の娘に」
順一は涙目になっている。
順一「デートでさ、話題がないからスロットの話を得々と話したらよ。私はまじめな人とつきあいたいとかいってさ。交際を断られちまったんだよ!」
夢二「そりゃあ災難だったな」
夢二は笑っている。
順一「俺のどこが不真面目なのよ。朝からホールの前に並ぶほどまじめに遊んでいるんだぜ」
順一は夢二に一生懸命に話している。

                END

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